手考足思 β

VRのメディアとしての特性と可能性を遠回りしながら探るブログ

『デザイン化される映像』メモ① / 知覚拡張型映像の歴史から考える

劇映画は、監督の演出やあらかじめ書かれた脚本に従ったプロの俳優の演技を記録した映像を編集してひとつの物語を生み出す。

 

美術映像(実験映像)の場合は、物語を構成することを念頭に置いていない場合が多く、俳優どころか人間が映ってないことも多い。

 

表現や演出も、劇映画が主にストーリーの展開を通じて観客のカタルシスを誘おうとするのに対し、美術映像の場合は観客の網膜的刺激に訴えかけることを主眼とするものが多い。

 

知覚拡張型の映像表現

サイケデリック・シネマ、コズミック・シネマ、エンヴァイラメント・シネマ、エレクトロニック・シネマなど様々な種類がある。

└どれも初めて聞いたが...

 

 マルチプロジェクションにスポットを当てたのが、アメリカのイームズ夫妻。

デザイナー・建築家として日本でも人気だが彼らはパワーズ・オブ・テンなどの作品で知られる映像作家でもある。


Powers of Ten with Japanese translation

 

立体的な空間認識に長けていたデザイナーであり、展示プロデュースに積極的に映像を活用しようとしていた。

 

 

スタン・ヴァンダービーク(1927-84)

メディアアーティスト

60年代からコンピュータアニメーションや「拡張表現」を追求した映画などを制作。

ムーヴィードロームという独自の上映システムを考案。

30人くらいが入れる全店周型ドームで、ドームの内壁に複数の映像を同時に映し出す。